2017年9月に「Speed Wi-Fi NEXT W04」がダウンロード最大708Mbpsにパワーアップしました。
その後W05で758Mbpsに、そして2019年発売のW06ではついに1237Mbpsにまで向上しています。
対応エリアは日本の都市部限定なので地方民には関係なかったりしますが、ワイヤレス回線がここまでスピードアップしたことは良いことです。
そこでこの急速なパワーアップを支えてきた通信技術の中でも「256QAM」というものに注目し解説していきます。
256QAMとはどんな技術?
WiMAXの通信速度を支える3つの技術
この急激な速度アップは、「4×4 MIMO」と「キャリアアグリゲーション(CA)」のほか、新しく「256QAM変調方式」なるものを組み合わせて実現されています。
4×4MIMOとは?
Multiple Input Multiple Outputの略。データの送信側(基地局)と受信側(ルーター)のそれぞれに4本のアンテナを搭載し、WiMAX 2+エリアでの通信時に、複数のデータを同時に送受信することで、高速通信を実現する技術(UQWiMAX公式より引用)
キャリアアグリゲーションとは?
キャリアアグリゲーションについてはこちらの記事詳しく解説しています。
参考記事⇒キャリアアグリゲーションって何?が、ここでも簡単に。
WiMAXはキャリアアグリゲーションという通信技術を使って、通信速度の向上と安定化を図っています。キャリアアグリゲーションのキャリアは「電波」、アグリゲーションは「集める」という意味です。つまり、複数の電波を集めて、通信速度の高速化を実現しています。110Mbpsの2つの電波を利用できるエリアであれば、最大220Mbpsの高速通信が可能です。また通信速度の向上だけでなく、片方の電波状況が悪くなれば、もう片方の電波を利用するため繋がりにくさを大幅に解消する事ができます。
ただネット上に写真や動画の投稿するアップロードの速度には影響しません。サイトの閲覧や音楽や動画の視聴など、ダウンロード通信でその効果を発揮します。無線通信の難点だった「速度と安定的な通信」を改善する素晴らしい技術です。
現在は関東圏や大阪、名古屋などの主要都市部のエリアに限定されているため、さらなる規模の拡大が望まれます。
あとは新登場の「256QAM変調方式」。
さっぱりわからないのでサラッと調べてみました。
256QAM変調方式とは?
UQWiMAX公式にはこう書かれています。
一度に送信できるデータ量を増加できる256QAM変調方式を組み合わせることで、下り最大558Mbpsの高速通信を実現します。
なるほど、データ送信量を増やせるのね。
これで解決!
で終わりたかったんですが、一応もう少し詳細にみていきます。
256QAMの読み方は?
256 Quadrature Amplitude Modulation
を省略した用語で、【にひゃくごじゅうろく きゅーえーえむ】は違うらしい。
正しい読み方は解説サイトによって一部違っててややこしいんですが、次のとおりです。
ソフトバンク公式サイト⇒ にひゃくごじゅうろく カム
デジタル大辞泉⇒ にひゃくごじゅうろく カム
IT用語辞典⇒ にひゃくごじゅうろくっクアム
IT用語辞典さんはなんで口語調にしたのか謎ですが、そういうサイトなんでしょう。
ネイティブっぽく発音することで他とは違うんやで?感をアピールしているわけではないでしょう、たぶん。
一応QAMはクアムとも読むようです(デジタル大辞泉を参照)。
というわけで、多数決の結果、
【にひゃくごじゅうろく カム】
と読むのが良さそうです。
もし違っていた場合、参考にしたサイトへクレームを(汗)
個人的には「にーごーろくかむ」「にごろかむ」が短くて良いんですが、知人友人と「256QAM」について語り合うことなんてミジンコほどの可能性もないので、ぶっちゃけどれでもええやんって感じですね。
256QAMの仕組みはどうなってる?
デジタル大辞泉によると、QAMは次のように紹介されています。
位相が直交する二つの波を合成して搬送波とし、振幅を変化させてビット値を割り当てる変調方式
位相、直行、ビット値など宇宙語が飛び交いすぎてて私にはハードル高めな解説です(汗)
ソフトバンクさんのページにあった図によるとこんな感じらしい。
図のように、データ送信するときの密度を高めています。
電波は大気中を伝わる波なので、その波を合成したものを送ることで一度に受信できるデータ情報量を増やしているようです。
こんな感じかと↓
波の数が増えれば、送信できるデータ量も増えるってことですね。
ただし波が複雑になる分、他からの干渉に弱くなるデメリットも。
この場合、ささいな干渉でも波が歪んだら正確なデータではなくなる→受け取り側でエラーになり再送信となる→遅くなる、というパターンもありえます。
で、通信量が増えることで数値的には速度も速くなるわけですが、実測値では実感できるのかどうかまでは不明です。
たとえ対応エリア内だとしても、かなりWiMAX基地局に近くないと恩恵を受けられなさそうですね・・・。
今なんて電波だらけですし。
ちなみにQAMには今のところ
- 16QAM
- 64QAM
- 256QAM
があるようです。
この調子で行けば、次は倍の512、さらに倍の1024とか増えていくのか?
QAMの数字上昇と速度アップの比率
数字は64から256で4倍になってるのに、速度は約1.3倍しか上がらないようです。
WiMAX2+回線なら
110Mbps ⇒ 143Mbps
220Mbps ⇒ 286Mpbs
440Mbps ⇒ 572Mbps
ってことになりそうですが、W04では558Mbpsとなっています。
この差はなんなんだ?
ソフトバンク公式に記載されてる参考例には「460Mbps→612Mbps」になっていたので、440Mbps換算で585Mbpsとなり少し差がありますね。
この辺は調べてもみつからず・・・。
回線業者の使う機器によって違うのかもしれません。
WiMAX以外で256QAM技術対応のサービス・端末は?
高速モバイルデータ通信は高速化技術を使う事でデータ通信速度を速くする事ができ、4×4 MIMOや256QAMが高速化技術として採用されています。
256QAMに対応している端末は、WiMAXルーターの他に、大手キャリアから販売されているスマートフォンやSIMフリースマートフォンなど現在流通している端末の多くで対応しています。
また大手キャリアが提供するLTEによる回線サービスも256QAMに対応してます。
対応端末と対応している回線サービスの組み合わせがあれば、自動的に256QAMを使ってデータ通信が高速化されるので、ユーザーはそれほど意識をしなくても256QAMを使えます。
ただ256QAMに対応していても、契約している回線プランのフルスピードで使える容量を超えて速度制限になった時は高速化技術は有効に働かないので注意しましょう。
まとめ
WiMAXが最速の称号を再び取り返した技術「256QAM変調方式」がなんなのか?について調べてみました。
4×4MIMOはアンテナ4本で同時に送受信、キャリアアグリゲーションは電波をくっつける、256QAMは電波の密度を上げるって感じですね。
今後は基地局とWiMAXルーター側でアンテナを5本、6本と増やしていくか、QAMの情報量を増やして速度アップしていく感じですかね。
なんか安定性からはどんどん遠くなっていきますね(汗)
110Mbpsでいいからいつでもどこもでその速度で安定して使えるようにしてくれるほうがありがたいんですけどね~。
基地局数を倍にするとかで。まぁ最大値を上げればそれに近づくのかもしれませんが。
とりあえず、UQさんには基地局設置を頑張ってもらって、より快適に使えるようにしてもらえたらと思います。