2021年1月27日からサービスが開始された「おてがるWi-Fi」
2021年に入ってからいくつか同じようなサービスが始まっていますが、その多くが前年までに登場してきた同業他社のサービスにプラスアルファを加えた内容になっています。
果たして、この「おてがるWi-Fi」にも他社と違う魅力的なサービスが用意されているのでしょうか。
そこで「おてがるWi-Fi」の特徴や、利用料金、扱う端末、速度制限などレンタルWi-Fiで特に気になるポイントを詳しく紹介していきます。
※本記事に記載の金額はすべて税込み表記です。
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おてがるWi-Fiの特徴
公式サイトの宣伝文句を拾ってみました↓
- 初期費用0円
- 違約金・縛りなし
- 延長可能・そのまま契約可能
- スイッチを入れるだけですぐ使える
- 最短即日発送
- 海外でも使える
これらが同業他社と比較してどうなのか?を解説していきます。
初期費用0円
これは同業他社でよくある初期費用3,300円に比べると大きなアドバンテージに思えますが・・・
おてがるWi-Fiは”基本短期間のレンタルWi-Fiサービスなので、2年や3年といった長期にわたって契約するわけではありません。
縛り期間が長い業者は基本的に初期費用3,300円をとっているのですが、短期レンタル型サービスはここ同様に0円でやっているところがほとんどですね。
というわけで、「初期費用0円」はここならではのメリットではありません。
違約金・縛りなし
これも長期契約型サービスを提供している業者は途中解約による違約金が発生します。
ですが、おてがるWi-Fiは短期レンタル型なので縛りや違約金はありません。
ここで長期レンタルする場合は、1か月単位で継続していく形式のようです。
延長可能・そのまま契約可能
1日~1ヶ月のレンタル期間が用意されています。
長期利用したいなら1か月単位のプランに変更することも可能です。
スイッチを入れるだけですぐ使える
これは基本的にどのモバイルルーターでも同じです。
おそらく初期設定しなくても使えますよ、という意味合いだと思いますが、他社でもポケットWi-Fiレンタルのサービスであれば、端末側の初期設定は必要ありません。
しかし、接続するスマートフォンやタブレット側の設定は必要になりますので「スイッチを入れるだけですぐ使える」という表現は、少し誤解を招いてしまう気がしますね。
ちなみにおてがるWi-FiはクラウドSIMという仕組みを採用した端末を貸し出しています。
これは他のモバイルルーターのように特定業者のSIMカードをセットする必要がないもの。
どの通信事業者の電波を使うかは、管理するサーバー側で選択しているため、電源を入れるだけですぐ使えるとアピールしているんでしょう。
これについては、同じ仕組みの端末を採用している同業他社は多いため、おてがるWi-Fiだけの魅力ではありません。
最短即日発送
あくまで「最短」ですが即日発送にも対応しています。
レンタルサービスなので、急に出張が決まり急ぎで借りたいときなどには助かりますね。
具体的な期限の記載は見当たらなかったためわかりませんが、できるだけ午前中には申し込んでおきたいところです。
WiMAXで即日発送に対応している大手業者の例ではその日の14時までという期限があります。
大手で昼過ぎなら、そこより小規模のおてがるWi-Fiはもう少し早い締め切りかもしれません。
海外でも使える
上で触れたクラウドSIMを採用した端末を提供しているため、電源オンで渡航先の通信事業者の電波を掴んでくれます。
日本国内ではソフトバンク回線を使うようです。
利用料金は?
公式サイトには「業界最安値水準」とあります。
現在の同業他社を見る限り、安いところは3000円を切る料金のところもみられますがどうなのか。
料金プランは3種類から。
以下のとおりです↓
無制限プラン(3GB/日)
- 1日・・・418円
- 2日・・・836円
- 3日・・・1,254円
- 4日・・・1,672円
- 5日・・・2,090円
- 6日・・・2,508円
- 7日・・・2,926円
- 8日・・・3,344円
- 9日・・・3,762円
- 10日・・・4,180円
- 11日・・・4,598円
- 12日・・・5,016円
- 1ヶ月プラン・・・4,950円
12日以上レンタルするなら1か月プランを選んだほうが安くなります。
無制限プラン+(5GB/日)
- 1日・・・605円
- 2日・・・1,210円
- 3日・・・1,815円
- 4日・・・2,420円
- 5日・・・3,025円
- 6日・・・3,630円
- 7日・・・4,235円
- 8日・・・4,840円
- 9日・・・5,445円
- 10日・・・6,050円
- 11日・・・6,655円
- 12日・・・7,260円
こちらは1ヶ月プランがないようです。
そもそも、1日3GB、5GBの上限があるにもかかわらず、プラン名に「無制限」と付いているのはどうなんでしょう・・・
パッと見ただけだと、勘違いしてしまう人もいるかもしれませんね。
おてがるプラン
- 10GB/月・・・1,320円
- 20GB/月・・・2,640円
- 30GB/月・・・2,970円
無制限プラン(デイリープラン)と違い、こちらは月々の利用データ容量が決まっているマンスリープランです。
ここまで料金プランを見てきましたが「業界最安値水準」と謳っているものの、短期利用でない場合は、他社の方が圧倒的に安いです。
例えば、業界最安級の料金だとMONSTER MOBILE(モンスターモバイル)が挙げられますね。
MONSTER MOBILEは、おてがるWi-Fiと同様にクラウドSIMのサービスです。
月額2,090円~利用可能なので、まさに業界最安級でしょう。
長期利用の場合は、おてがるWi-Fiよりも断然お得に利用できるのでおススメですね。
海外利用時の料金
海外用レンタルWi-Fiは、借りた日から返却日までの料金が請求されるケースが一般的ですが、おてがるWi-Fiは現地で利用した日数分のみが請求になります。
海外で利用しない日もあるかもしれないので、使っていない日の分は請求されないというのは、嬉しいですね。
詳しい料金については、利用日数×エリア別利用料となっているようです。
エリア別利用料は以下のように設定されています。
【エリアA】
【エリアB】
海外利用時には、以下の点に注意しましょう。
・データのリセット時間は日本時間のAM9:00(1DAY=当日9:00~翌日8:59)時差に注意しましょう。
・1日に複数国でエリアA・Bを跨いで利用する場合はエリアBの料金のみ必要
WiMAXの料金と比較してみた
ここで、ポケットWi-Fiの代名詞ともいえるWiMAXの料金と比較してみましょう。
WiMAXは各プロバイダで料金やキャンペーンが異なりますが、ここではWiMAXの中でも月額料金が安くてお得な、Broad WiMAXと比較してみます。
プラン | 料金 | 通信容量 | 通信キャリア | 通信速度(理論値) | |
---|---|---|---|---|---|
WiMAX+5Gギガ放題プラスDX | 0ヵ月目:2,090円の日割 1-2ヵ月目:2,090円 3-36ヵ月目:3,894円 37ヵ月目-:4,708円 | 実質無制限※ | KDDI(WiMAX) | DL:最大2.2Gbps UL:最大183Mbps |
※見切れる場合には横にスクロールすることが可能です。
WiMAXでこの料金は最安級です。
1-2ヵ月目が特に安くなっていますがが、3-36ヶ月でも月額3,894円なので、おてがるWi-Fiの無制限プランを10日間レンタルするよりも安いという計算になります。
更に5Gでの高速データ通信が可能なため、通信速度も申し分ないでしょう。
料金を抑えつつ、通信速度も求める方にとっては、BroadWiMAXがおススメです。
借りられる端末は?
端末は、他社のWi-Fiレンタルサービスでも多く利用されているU2Sのみ。
端末のスペックは以下の通り。
U2Sの端末スペック
端末名 | U2S |
---|---|
メーカー | HONGKONG UCLOUDLINK NETWORK TECHNOLOGY LIMITED |
カラー | グレー/ゴールド |
サイズ | 高 127mm 幅 65.7mm 厚 14.2mm |
重さ | 149g |
ディスプレイ | - |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11b/g/n |
下り最大速度 | 150Mbps |
上り最大速度 | 50Mbps |
対応バンド | LTE-FDD 1/2/3/4/5/7/8/9/12/13/17/18/19/20/26/28 LTE-TDD 34/38/39/40/41 WCDMA 1/2/4/5/8 GSM 850/900/1800/1900 MHz |
バッテリー容量 | 3500mAh |
連続稼働時間 | 約12時間 |
電力ポート | DC 5V-1Abps USB 2.0 port |
対応コネクタ | Micro USB type-B |
SIMスロット | なし |
最大接続台数 | 5台 |
驚きのあるスペックではありませんが、必要最低限の性能は有しています。
クラウドSIMで通信事業者の回線の一部を借り受けてネット接続する形式のため、あまりハイスペックにしても意味がありません。
下り150Mbps、上り50Mbpsもあれば速度面で不自由することはないでしょう。
ディスプレイもなく、電源をオンオフするくらいしか操作することがないのも逆にいいですね。
速度制限はある?
当然ながら、速度制限はあります。公式サイトには以下のように記載されています。
【無制限プラン】
【無制限プラン+】
「制限される可能性がある」という書かれ方なので、捉え方によっては規制されない可能性もあるわけですが、基本的にこの容量オーバーで制限されると考えておいたほうがいいですね。
また、おてがるWi-Fiレンタル約款にはこう書かれています↓
第 6 条(通信制限) 通信事業者の定める通信量を超えた場合、通信事業者により通信制限が実施されます。
ソフトバンク回線を利用するため、通信事業者=ソフトバンク側が状況に応じて制限を実施するとありますね。
ソフトバンクはベストエフォート方式で、回線利用者が増え混雑すれば速度が遅くされてしまいます。
また短期間に異常な通信量(具体的な数字はわかりませんが)を使った場合も制限される可能性があります。
ただしWiMAXなど同業他社のように3日10GB制限といった特定の制限は設けていないようです。
また契約容量をオーバーした際の制限速度についても書かれていませんでした。
おそらく他社と同じく128kbps制限ではないかと思いますが、詳細は不明です。
対応エリアは?
ソフトバンク回線を利用するため、それに準ずる対応エリアとなります。
ソフトバンク回線の4G LTEエリアは人口カバー率99%なのでおおむね使えるはず。
人口カバー率とは国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出される数値のこと。
日本全面積の99%で使える、という意味ではないため確実に使えるわけではありません。
結論
おてがるWi-Fiは本当に短期間で利用する人向け
おてがるWi-Fiは短期レンタルのプランが充実していますが、長期利用の場合は料金が高いので、普段使いのポケットWi-Fiとして契約を考えている人にはおススメできません。
逆に出張や旅行など、数日のみ利用したい場合はおススメですね。
少し話が逸れてしまいますが、Wi-Fiレンタルサービスの「よくばりWiFi」はご存知でしょうか。
現在は新規受付が終了しているサービスですが、名前くらいは聞いたことがあるのではないかと思います。
一時期、よくばりWiFiや、どんなときもWiFi等、多数の会社が「通信容量無制限」のサービスを提供していましたが、ある時期を境に無制限での利用が出来なくなり、大幅に通信容量が制限されるという事がありました。
突然ネットワークにつながらなくなったユーザーから、窓口に問い合わせが殺到したようですが、そのタイミングで、よくばりWiFiはサポートセンターの電話窓口を突如休業したという過去があります。
実はこの「よくばりWiFi」と「おてがるWi-Fi」の運営元は同じなのです。
今後はこのような事が起こらないとは思いますが、万が一何か問題が発生した際の対応には少し不安が残りますね。
ポケットWi-Fiを契約する上で、サポート対応も非常に重要になってくると思います。
申し込みする際は、様々な視点から検討することをおススメします。
まとめ
おてがるWi-Fiについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
短期レンタルに強みのあるサービスですが、長期利用する際の料金は高いので、長期利用を考えている方は、他のサービスを検討しましょう。