中国メーカー「ファーウェイ」がずっと展開してきたWiMAXモバイルルーター「W」シリーズ。
W01~W06まで発売されていて、W06ではついに下り最大速度が1Gbpsを突破したことで注目されました。
それだけに次に出る「W07」はどんなスペックになるのか楽しみにしていた人も多いことでしょう。
そして2020年1月16日、au有するKDDIからついに「W07」発表されました。
そこでW07がどんな端末なのか徹底解説していきます!
Speed Wi-Fi NEXT W07ってどうなの?
au限定&法人限定販売のW07
W07はなんとシャープ製!
そして法人限定モデルに!
販売もauのみとなりました・・・。
えっ?
って思いませんでしたか?
「いやいや、なんでそーなるの?」とツッコんだWiMAXユーザーはたくさんいることでしょう。
W07の個人契約はできない?
いまのところできません。
ただし、過去にはauで法人限定モデルだった「Speed USB STICK U01」が他社プロバイダで売られた例もあるため、一般ユーザー向けに販売される可能性もないとは言い切れません。
(Speed USB STICK U03も出てますがこちらはまだ法人のみ)
いちユーザーとしてはその展開に期待するしかないですね。
あとファーウェイはこのシリーズをシャープに売ってしまったのか?今後ファーウェイ端末は発売されるのか?も心配ですが、現状は何もかも不明です。
せめて「W07」ではなく、「WS07(Sはシャープ)」とかだったらよかったんですけどね。
中古価格は?
- アマゾン・・・なし
- 楽天市場・・・なし
- ヤフーショッピング・・・なし
- メルカリ・・・なし
- ヤフオク・・・なし
過去に販売されていた形跡も見当たりませんでした。
上で触れた「U03」という法人限定モデルがメルカリ・ヤフオクで売られていたこともあるため、どこかの企業が使わなくなって出品するのを待つしかないですね。
では気を取り直して、期待されていたであろうニューモデル「W07」の機能やスペックなどを見ていきます。
※発売前の情報のため、実際の製品とは異なる可能性もあります
W07はどんな端末?スペックや機能まとめ
発売日は?
2020年3月以降。
最近のWシリーズでは1月か2月発売が多かったので、少し遅れ気味ですね。
ただ法人限定モデルなので一般ユーザーには関係ありませんが・・・。
W07のデザイン
画像ではネイビーみたいに見えますが、本体カラーはブラックのみ。
非常にシックで落ち着いたデザインが大人っぽく感じられていいですね。
法人向けってこともあるのか、あまり主張しすぎない見た目に仕上がっています。
ちなみにau公式ページではいまのところ正面からの画像しか公開されていません。
が、どこかで見たことあるデザインだなと思って調べてみると、ドコモとソフトバンクから出てるシャープ製モバイルルーターの既存製品と同じでした↓
対応バンドをauに合わせただけで基本スペックも同じでしょうね。
というわけで、全方位のデザインをポケットWiFi 809SHのものでチェックしてみましょう↓
武骨な見た目でカチッとしたビジネスマンにピッタリのデザインだと思います。
W07の注目機能はこれ!
大容量4000mAhバッテリー搭載
WiMAXモバイルルーターの中でも過去最大級のバッテリー容量を備えています。
具体的な連続通信時間・連続待ち受け時間はまだ公開されていませんが、容量に見合った長時間通信ができるでしょう。
同時期発売のWX06がバッテリー3200mAhで約14時間使えるため、4000÷3200=1.25倍ってことで14時間×1.25倍=17.5時間は使えそうですね。
1日の内睡眠時間を除いてずっとネット接続できるレベルです。
モバイルバッテリーとしても利用可能
せっかくの大容量バッテリーってことで、スマホ充電などをW07につなげればできるモバイルバッテリー機能がついてます。
まぁモバイルバッテリー機能自体は過去の製品で搭載されているのを見かけますが、WiMAXでは珍しいもの。
いつもモバイルバッテリーとモバイルルーターを持ち歩いている人なら、1台にまとめられるメリットもあります。
これはほかのモデルでも搭載してもらいたいですね。
下り最大958Mbpsの高速通信
既存モデル「W06」の最大1237Mbpsには劣りますが、ほぼ1Gbpsは十分ハイスペックです。
Wi-Fi電波での接続時は867Mbpsになってしまいますが、それでも高速なネット環境が得られます。
法人向けモデルなのでこんなスペックはいらないと思いますが、性能は高いほうが通信も安定しやすいでしょう。
高速道路を走るときも、軽自動車より大排気量のVIPカーのほうが安定感バツグンなのと一緒ですね。
国際ローミング対応で海外でも活躍
auからの発売なので、国際ローミングにも対応しています。
別料金がかかりますが、海外出張するときに現地でSIMを買ったり、レンタルWi-Fiを借りずに済むのでスムーズになるでしょう。
QRコードで簡単接続
Wi-Fiルーターと接続するときのIDやパスワードはややこしい文字列になっているもの。
大文字小文字と数字の入り混じった複雑な文字列なので、手打ち入力するとなるとかなり時間がかかります。
でもW07なら、Wi-Fi接続したい機器(デジカメやスマホなど)でQRコードを読み取るだけで簡単に繋がります。
これもW07以外の端末に搭載されている機能ですが、あると非常に助かります。
USBケーブルでの有線接続可能
別売のクレードルでもLANケーブル接続できますが、W07はUSBケーブルでも有線接続できます。
仕事で外出しているときにクレードルを持ち歩くことってまずないと思いますし、出先でサクッと有線接続に切り替えられる利便性の高さは魅力です。
いろいろな状況に対応できる柔軟性の高いモデルですね。
現行のWiMAX他機種との違いは?
上で紹介した注目機能を見る限り、大容量バッテリーによるモバイルバッテリー機能と有線接続が2種類対応している点がW07の個性と言えます。
ただ、常にWiMAX最速記録を更新してきたWシリーズの伝統が途切れてしまったのは残念といえば残念。
次のモデル「W08」もシャープさんが販売するなら頑張ってもらいたいところです。
まぁこれ以上速くしても対応エリアは限られていますし、私みたいな地方都市住まいには恩恵がなかったりしますが、最新機種=最強スペックであってほしいかなと思います。
W07のスペック(同型モデルSH-05L/809SHとも比較)
販売 | KDDI | docomo | SoftBank |
---|---|---|---|
端末名 | Speed Wi-Fi NEXT W07 | Wi-Fi STATION SH-05L | Pocket WiFi 809SH |
利用回線 | au 4G LTE WiMAX2+ | PREMIUM 4G 3G | TD-LTE FDD-LTE W-CDMA |
サイズ | 幅 108mm 高 72mm 厚 15mm | 〃 | 〃 |
重さ | 約150g | 〃 | 〃 |
ディスプレイ | 約2.4インチQVGA(320×240画素) TFT液晶ディスプレイ | 〃 | 〃 |
最大通信速度 | 受信958Mbps 送信75Mbps | 受信988Mbps 送信75Mbps | 受信774Mbps 送信37.5Mbps |
バッテリー容量 | 4000mAh | 〃 | 〃 |
連続通信時間 | 約1180分 | PREMIUM 4G 約5時間 LTE 約15時間 3G 約17時間 | 約23時間 |
連続待ち受け時間 | 約1410時 | LTE 約1200時間 3G 約1520時間 | 4G LTE(FDD-LTE) 約1175時間 4G(AXGP) 約1330時間3G 約1560時間 |
同時接続台数 | 10台 | 11台 | 11台 |
Wi–Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac | 〃 | 〃 |
有線LAN | 1000BASE-T×1 (要クレードル) | 〃 | 〃 |
USB | TypeC | USB 3.0 Type C | USB 3.0 Type C |
SIMカード | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
クレードル | 別売 (SHD31PUA) | 〃 | 〃 |
同じシャープ製だけあって、ほぼ同一性能です。
同時接続台数の違い
ただ、対応バンド以外すべて同じだろうと思ったら、auの発表では同時接続台数がW07だけ10台になっていました。
シャープ公式ページでは11台になっていたのですけどね。
表記ミスの可能性もありそうですが、しばらくして確認したものの10台のまま。
大した差ではありませんが、なぜ違うのか疑問です。
通信速度とバッテリー持ち時間の違い
速度は使うキャリア回線によるため、業界最速のドコモが一番速く、次にau(WiMAX)、最後はソフトバンクの順です。
ソフトバンクだけは一段下のスペックになっています。
そして速度に応じでバッテリー消耗が違うため、通信時間にも差が出ています。
速度が遅い分、ソフトバンク809SHがバッテリー持ちがよくなっていますね。
いままで3キャリアにモバイルルーターを提供してきた中国「ファーウェイ」は、デザインも性能も異なる仕様だったのに対し、シャープは同じ端末を提供しています。
確実にコストは安くできるはずですし、次期モデル以降はさらなる性能アップに期待したいですね。
一般販売の可能性は?
ここ数年のWiMAXモバイルルーターとして一番人気のシリーズだっただけに、法人限定販売になってしまいガッカリしているユーザーさんもいるはず。
では一般向けの販売はないのか?
アメリカが発端になり中国ファーウェイへの風当たりが強くなった2018年頃から、端末メーカーも徐々に変わってきました。
WiMAX(au)と同じくモバイルルーターを扱うドコモもひと足早くシャープ製の端末を扱い始めています。
またワイモバイルやソフトバンクでもファーウェイ以外のメーカー製品を扱い始めました。
そしてついにWiMAXでも他社製品がラインナップに加わったわけですが、ドコモ版の同型モデル「SH-05L」だけは一般ユーザー向けに販売されています。
対してWiMAXとソフトバンクは法人限定。
ページ最初に紹介した法人向けモデル「U01」の一般販売の事例はあったものの、個人向け販売の可能性はいまのところ低そうです。
現在購入できるドコモ版モデルを手に入れてSIMロック解除しSIMカードを差し替えれば使えることは使えると思います。
でも対応バンドはauのものにほとんど対応していないので快適には使えないでしょう。
ただ、今回の発表はauからなので、UQ WiMAX版が登場することがあれば一般向けに販売されるはず。
朗報を待つしかないですね。
むしろファーウェイが春頃「W08」を発売してくれればいいんですが、こちらも期待薄な感じです。
これからWiMAXを契約するならどのモデルがいい?
W07の発売を待って契約するつもりだった人もいると思いますが、候補から外れてしまった以上、別の機種を選ぶことになります。
そこで選択肢に入ってくるのは次の3モデル↓
- Speed Wi-Fi NEXT W06
- Speed Wi-Fi NEXT WX06
- Speed Wi-Fi NEXT WX05
です。
WX06と旧WX05は実測値を計測したところほぼ同じ性能でした。
スペックも同じようなものなので、新しいモデルWX06を選んでおけば問題ありません。
となると「W06」か「WX06」のどっちを選ぶべきか?
結論から言うと、W07を待っていた人はスペックに期待していたと思われるので「W06」がおすすめです。
WX06は別売の拡張アンテナ搭載クレードルとセット使用し、通信安定性の面で本領を発揮するモデル。
本体のみでは多少見劣りしてしまいます。
よってW07の代わりに使うなら「W06」がいいですね。
詳細はこちらの記事で比較しているので参考にしてもらえれば↓
参考記事
⇒WX06とW06ならどっち?徹底比較しました
まとめ
多くの人が期待して待っていたと思われるWiMAXモバイルルーター「Wシリーズ」の最新機種「Speed Wi-Fi NEXT W07」について紹介しました。
ちょっとガッカリな発表になってしまいました。
いまの最速ルーターはドコモの1288Mbpsなので、ここは超えてくると思っていたんですけどね。
毎年WiMAXが先行して業界最速記録を塗り替え、その数か月後にドコモがまた上回る、の繰り返しだったので。
それがW06より低いどころか、まさかの法人限定発売とは・・・。
ライバルモデルの新機種「WX06」も旧「WX05」とあまり変わらない性能でしたし、2020年度はWiMAX冬の時代になるのかもしれません。
そうならないといいんですが・・・。