WiMAXは通常使用される通信モードのほかに、ブリッジモードと呼ばれる機能があります。
(別名アクセスポイントモード)
そこでブリッジモードとはどんなものなのか?設定や解除方法、メリットなどをまとめました。
WiMAXのブリッジモードとはどんなもの?
ブリッジモードは通常のモードに対して使用する機能を制限することで通信速度を高めたり、アクセス性を高める機能があります。
ルーター側の機能にもよりますが大きく分けて2つの機能を使い分けられます。
ブリッジモードの機能その1 他サービスの固定回線でWi-Fiルーターとして利用
一つ目のWiMAXのブリッジモードは、公衆無線LANを使用せずに直接有線のインターネット回線を接続し、ルーターをアクセスポイントに使用する方法です。
わかりずらいですね(汗)
要はWiMAX以外のネット回線をWi-Fi電波でつなぐだけのWi-Fiルーターみたいになっている状態です。
といっても1台しか接続できませんが・・・。
本来WiMAXルーターはWiMAXの電波でネット接続していますが、ブリッジモード利用時はたとえば光回線のフレッツ光を契約しているならそのネット回線とスマホなどをWi-Fiでつなぐ役割ですね。
この場合、実際にはWiMAXの公衆無線LANを使用しないため、複数の端末を有線のインターネット接続に集約するものとなっており、一般的なアクセスポイントと同じような構成となります。
メリットは複数の端末を接続できる環境が手に入ることと、公衆無線LANを使用しないため接続速度が基本的には速くなると言えるでしょう。
もちろん利用するネット回線しだいですが・・・。
もし実測値ベースで500Mbpsくらいでている光回線を使っていて、そのWi-Fiルーターとして使うなら500Mbpsくらいの速度を期待できるわけです。
WiMAX回線でそんな速度は余程条件が良くなければ出ないのでWi-Fiルーターとして活躍してくれた方がいいかもしれませんね。
またホテルなどでブリッジモードを使う場合、有線のインターネット接続回線しかない場合も多いため、WiMAX端末によってはクレードルという有線接続するための機器が必要です。
(ホームルーター型モデルなら不要)
このモードを使用する場合には有線のインターネット回線に接続するためのクレードルが必要ですが、ルーター側の設定を変更することですぐに使えます。
ブリッジモードの機能その2 接続台数を絞って通信の高速化
2つ目は接続する機器を1台にして通信速度を高めるためのモードとも言えます。
通常WiMAXではルーターがアクセスポイントの役割を果たしていて、WiMAXルーターと接続したそれぞれの端末と公衆無線WANを接続していますが、この場合には複数の端末のIPアドレスを変換し、1つの公衆無線LANに接続する機能です。
そのため、複数の端末の接続を1つに集約し、これの通信制限などを行った上で公衆無線LANとの接続を確立していることになります。
このときルーター内部では、アドレスの変換のほか通信を行う際の複数の通信情報を1つに集約する動きをしています。
が、接続する端末を1つにしIPアドレスの変換を止めることで、端末から直接公衆無線LANに接続できるという機能になります。
この場合はIPアドレスの変換を行わず、接続する端末には直接グローバルアドレスが振り分けられる形となるため、ルーターの内部での様々な処理が簡略化され、直接端末は公衆無線LANに接続されている状態となります。
これにより余分な処理がなくなるため接続速度が非常に速くなるのです。
しかし端末に直接インターネット側から見る事ができるIPアドレスが割り当てられることになり、外部からの攻撃を受けやすくなってしまうと言うデメリットがあります。
そのためこの場合にはルーターと端末の間でVPNを確立させ、その通信を見えなくしてしまう方法がとられるのが一般的です。
設定方法はルーター側と端末の間でそれぞれVPNの設定を行い、さらにルーター側でブリッジモードの設定を行うことで切り替える事ができます。
ブリッジモードの設定と解除方法
※画像はWiMAX「W05」の取扱説明書より
ブリッジモードの設定
- 自宅やホテルなどのネット回線を使う場合、次のように設定します。
- WiMAXルーター専用のクレードルの充電ケーブルをコンセントに挿す
- LANケーブルをクレードルに接続する
- WiMAXルーターの設定画面からブリッジモード(APモード)をオンにする
- クレードルにWiMAXルーターをセットする
WiMAXルーター画面内の設定方法は、端末によって多少違いますが、電源を入れ「設定」ページないのどこかにある「システム設定」→「クレードル設定」内にあるはずです。
解除方法
上で設定したページでオフにしましょう。
WiMAXルーターでブリッジモードを使うメリットとは?
ハッキリ言ってあまりそんなシチュエーションはないですね(汗)
WiMAXはWiMAX回線を利用して自分だけでインターネットに接続できるサービスです。
わざわざ他社の回線を利用するWi-Fiルーターとして使うことってまずありません。
そもそも自宅に光回線を契約している人は業者側からWi-Fiルーターを借りていることがほとんどだと思いますし、WiMAX端末の出番はありません。
となるとかなりニッチな条件ですが、
- 有線でしかネットを使えないホテルにWiMAX端末とクレードルを持っていきWi-Fiルーターとして使う
- 自宅のネットに自分の端末1台だけを接続して快適性をあげる
くらいじゃないかと。
さらにWiMAXのデータ通信量を節約したい、速度制限がかかっていて快適に使えない、などの条件も同時に満たしていないと利用するメリットが感じられないでしょうね。
でも外で使うならクレードル必須ですし、わざわざ持ち歩くのってかなりかさばるので現実的ではありません。
また有線接続できるホームルーター型モデルを持ち歩くのもサイズ的に現実的ではありません。
というわけで、WiMAX端末のブリッジモードはぶっちゃけなくてもいいかもしれません。
まとめ
WiMAXルーターのブリッジモードについて解説しました。
既存の固定インターネット回線サービスを有線LANケーブルで接続してWi-Fiルーターのように使えるブリッジモード。
WiMAX電波を使わないので通信量はかからず、固定回線を使うことから安定性も期待できます。
ただLANケーブルでの接続が必要など使用条件はかなり厳しいためあまり活躍する機会のない機能と言えますが、Wi-Fi接続端末を1台にすることで通信速度の高速化は期待できます。
もし利用する機会があるならぜひ使ってみてください。