面倒な宅内工事などは一切不要で、端末を設置するだけですぐにインターネットが使えるようになる高速回線サービスとして高い人気のWiMAX(ワイマックス)。
WiMAXは独自の通信回線とau 4G LTE回線を利用した通信に対応しているので、基本的には日本全国で安定した高速通信ができます。
(人口カバー率99%と公式にあり)
WiMAXに限らず、ネット回線サービスの宣伝文句によく「最大1.2Gbps!」など大き目な数字が使われていますが、これはあくまでダウンロード速度で最大ここまでなら理論上でますよってだけの話。
アップロード速度をアピールしている業者はまずありません。
そしてダウンロード速度が落とい原因と対処法を紹介しているサイトは多いものの、アップロードに関しては少な目です。
そこでここでは、アップロード速度が遅い場合の原因や対処法をまとめました。
WiMAXアップロードが遅い原因と対処法
そもそもアップロードはダウンロードより圧倒的に遅い
まず遅くなる原因と対処法を解説する前に、スペックについて触れておきます。
WiMAXモバイルルーター端末のスペック表から上りと下り速度だけを抜粋してみました↓
機種名 | アップロード | ダウンロード |
---|---|---|
W06 | 75Mbps | 1237Mbps |
W05 | 75Mbps | 758Mbps |
W04 | 37.5Mbps | 708Mbps |
W03 | 25Mbps | 370Mbps |
W02 | 25Mbps | 220Mbps |
W01 | 25Mbps | 220Mbps |
WX06 | 75Mbps | 440Mbps |
WX05 | 75Mbps | 440Mbps |
WX04 | 50Mbps | 440Mbps |
WX03 | 30Mbps | 440Mbps |
WX02 | 10Mbps | 220Mbps |
WX01 | 10Mbps | 220Mbps |
※WiMAXとau 4G LTE回線併用あり
下りに対して上り速度は10分の1以下になってることがほとんどですね。
同じ電波を使ってるのにこれだけ差があるのはなぜなのか?
それについてはダウンロードすることの方が多いからってのは間違いないでしょう。
ですが、最近はユーチューブやTikTokなどで個人が動画をアップロードする機会も増えています。
そんなとき、アップロードの通信速度が遅いと感じることもけっこうあるんですよね。
というわけで、ここからは本題のアップロード速度が遅いときの原因や、通信速度を高速化するためにチェックしたいポイントを解説していきます。
WiMAXのアップロード速度を改善するには?
考えられる原因として次のようなものがあります↓
- 速度制限にひっかかっている
- 使っている場所がよくない
- 電波干渉を受けている
それぞれを詳しく見ていきます。
1.速度制限にひっかかっている
通信速度が遅いと感じたときに、真っ先に考えられる原因が速度制限です。
WiMAXでは「ギガ放題プラン」を選んでいれば基本的にデータ容量の制限無しで高速通信できるんですが、全く制限がかからないわけではありません。
WiMAX2+の通信網を使った通信は1ヶ月あたりに利用できる通信量に制限はありませんが、au 4G LTEの通信網を利用すると、1ヶ月あたりに利用できる通信量は7GBまでという制限があります。
たとえギガ放題プランだったとしても、au 4G LTEで通信して7GBを超えてしまうとau 4G LTEとWiMAX2+の両方で速度制限され、翌月まで低速環境になってしまうんです。
こちらはau 4G LTE回線を使わなければ無視できるので対処方法は簡単です。
もう1つ、あまり使いすぎると速度制限される「3日10GB」制限があります。
具体的には直近3日間でのデータ通信量が10GBを超えた場合、その翌日の18時から翌々日の2時頃まで一時的に速度が遅くなってしまうもの。
たまの休日に動画を観まくったりするとあっさりひっかかったりするんですよね(汗)
で、公式サイトの解説ページにもしっかりアップロードも制限されることが書いてあります↓
ダウンロード速度だけ制限してくれればいいのに、しっかり「送受信の最大速度」がおおむね1Mbpsになるよ、と書かれてます。
WiMAXが使う周波数ではTD-LTE方式
ちょっと小難しい話をするので知恵熱でそうなら飛ばしてもらうとして、WiMAXの電波(周波数)はTD-LTEという方式です。
これはアップロードとダウンロードを同じ周波数でやりとりするもの。
よってその時々でアップかダウンロードの割合を変えて通信しています。
で、完全に1つの電波で両方やっているので、ダウンロードが制限されるならアップロードも当然制限されるわけですね。
2.使っている場所がよくない
通信規制以外の面では、WiMAXを使っている場所やエリアも通信速度が遅い大きな原因になります。
基地局から遠い
首都圏など一部のエリアでは、非常に速い速度で通信ができるギガビット通信に対応していたりしますが、基地局から離れた場所では最大通信速度が遅くなってしまいます。
公式によると基地局1つがカバーできる範囲は750m~1kmくらいと定めているようです。
基地局との間に障害物がある
またWiMAXの電波は障害物の影響を受けやすいため、鉄筋コンクリート造の建物の内部などでは通信が不安定になりがちです。
速度が遅いと感じた場合、窓際など電波を受信しやすい場所に移動をすると改善を期待できます。
ほか、自分が利用するエリアの最大通信速度を公式サイトのエリアマップで確認してちゃんと入っているかも確認しておきたいですね。
3.電波干渉を受けている
さらに室内で使用している場合、他の家電の電波干渉もアップロード速度低下の原因になります。
多くの人はWi-Fiで使っていると思いますが、Bluetooth接続をしていたり2.4GHz帯の周波数でWi-Fi接続している場合は、電子レンジや他の電子機器の干渉を受けて通信が不安定になっている可能性もあります。
家電から物理的に距離を置くのも有効です
ルーターと他の電子機器を引き離すことで速度の安定が期待できるため、室内で通信を行う場合には電波干渉を意識しておきたいですね。
5GHz帯でWi-Fi接続する
いまのWiMAX端末はすべて5GHz帯のWi-Fiに対応しています。
よって5GHz帯でWi-Fi接続すれば、家電などと被りにくいため電波干渉を受けにくくなります。
有線で接続する
速度が遅い・不安定などの症状が発生した場合に最も手っ取り早く簡単な方法としておすすめなのが、ケーブルを使った接続への切り替えです。
ほとんどの人がWi-FiやBluetooth等の無線接続をしていると思いますが、WiMAXルーターはUSBケーブルや、専用クレードルがある端末ならLANケーブルを利用した接続が可能となっています。
ケーブルでの接続はルーターとデバイスを直接繋ぐことになるので、移動などの問題はありますが、無線接続と比較して通信速度が圧倒的に安定します。
アップロードの速度に不満を感じた場合には、まずはケーブルでの接続を試してみてください。
室内だけで使うならホームルーターに変える
また室内で使うことが多く、外に持ち出して使うことがほとんど無いならモバイルルーター型ではなくホームルーター型への機種変更もおすすめです。
ホームルーターはバッテリーが搭載されておらず、外に運び出して使うことが難しいため、モバイルルーターと比較すると使い勝手が悪い機種のように考えられがち。
ですが、モバイルルーターよりも高性能のアンテナを搭載しているので、室内での通信安定性が大幅に高くなっています。
ホームルーターであれば窓際に置かなくても室内で安定した通信ができる可能性も高くなるので、自宅のメイン回線で使っている場合にはホームルーターを選ぶようにすると快適に通信ができでしょう。
まとめ
WiMAXのアップロード速度が遅いときの原因や対処方法をまとめました。
基本的にダウンロード速度が遅いときとやることは一緒です。
また一時的になら「au 4G LTE」回線を使うハイスピードプラスエリアモードに切り替えるのもあり。
au 4G LTE回線のほうが安定しているため改善される可能性があります。
ただ上でも触れたように、au 4G LTEの通信回線で7GBを超えると翌月まで速度が低速になってしまうため、注意しながら使いましょう。
通信容量の使いすぎにはくれぐれも注意して、賢く快適なネットライフを送りたいですね。